永遠の不服従のために
著者 辺見庸  毎日新聞社 1429円

現有権力への異議申し立て書

ずしり、とくる内容である。「サンデー毎日」連載の「反時代のパンセ」を単行本化したものだが、一編一編が著者との真剣勝負がごとく挑んでくる。なまじすらすら、はいそうですか、と読めるものではない。ずしり。ずっしり。そして、ずしん、とくる。著者は9.11テロ、アメリカのアフガニスタン侵攻、有事法制、君が代、死刑など時事的なテーマをまっこうから論じる。読み手にも覚悟が求められるかのように、その論調は鋭く、時に高圧的ですらある。
著者は名を馳せたジャーナリストであり、芥川賞受賞の小説家でもある。辺見庸を一躍有名にならしめたルポ「もの食う人びと」(角川文庫)は、私にとって数少ない何度でも読み返したい作品で、これから旅をしたい若者にはぜひ一読を勧めたい本である。ただ、辺見庸はもう別の地点に立っているようだ。ジャーナリストの情報感度、小説家の感性細やかな美文を駆使して、いまの日本、いまの世界の在りように対し強く異議申し立てをしている。
この本のタイトル通り、これはひとりの個人が真剣に挑む現有権力への異議申し立て書である。「激越な反逆だけでなく、いわば『だらしない抵抗』の方法だってあるはずではないか。(中略、この本は)柔らかで永続的な抵抗を勧めるテキストでもある」と後書きにある。でも、どうしてどうして、はやり読み手にも覚悟が求められる。なぜなら書き手・辺見庸の強靱なる「胆力」によって編まれた書なのだから。

(02年11月記)