自分管理術
著者 長谷川滋利  幻冬社 1300円

メジャーリーガー長谷川の「秘密」

長谷川は現役メジャーリーガーの日本人投手の中では最も目立たない存在だろう。メジャーリーグに挑戦する時にも、専門家から「彼の球威では大リーグには通用しない」と酷評を受けた。にもかかわらずメジャーリーガーとして一応の成功を収め、その地位を維持している。彼は初著作『適者生存』でより高いレベルへステップアップしていく際には「アジャストメント(適応力)」が重要であると説いた。私にはそれができたからこそメジャーリーガーになりえたのだ、と。二冊目の「メジャーリーグで覚えた英語勉強法」では、自分が用いた教材を紹介しながら実践的英語習得法を披露。そして、今回の三冊目ではセルフ・マネージメントの必要性を述べ、アメリカでの彼自身の自己管理実践法を語っていく。適応力、語学力、自己管理と、これはさながら特技のある個人が異国世界にうって出る際の教科書を著しているかのようだ。
彼はこう自負する。「僕ほどのメンタリティーを持った投手は、メジャーリーガーにもそんなにはいないと自信がもって言える。精神面なら、メジャーリーガーでトップにいるという自信がある」。同じメジャーリーガー投手の佐々木、石井、野茂らに身体的素質は劣りながらも、メジャーリーガーの地位に居続けることのできる長谷川の「秘密」が分かる、気がする。その「秘密」を披露する長谷川の本には充分に説得力がある。彼ならば自分が書いたことをきっちり実践していっているはずだ。アメリカでの生活模様が思い浮べれる。

(02年12月記)